発言集団「きづな」

10/24/2014

両陛下のインド御訪問 「発言集団」代表・中島英迪

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 十一月三〇日から十二月六日までの七日間、天皇・皇后両陛下はインド政府の招きにより訪印された。両陛下とも七十九歳といふご高齢でのこの度の旅行の画期的な意義について、新聞・テレビ等マスコミは全く報じてゐないから、次にその一端を指摘したい。
 実はインド政府は平成十年にも両陛下へのご招待を表明したが、当時インドが核実験をしたことで、核拡散防止条約の締結国であるとの理由で政府はこれを断つた。これは実に愚かな決定であり、消極的な意味での天皇の政治利用に該当する。親日国からの招待に応じることは、政治の次元を超えた国際親善の意味があり、日印両国の友好だけでなく、アジア全体の安定、ひいては世界の平和に大きく貢献できる機会だつたのである。

 では、何故インドご訪問が世界にとつて絶大な意義をもつのかと言へば、インドは世界中で最も有力な親日国であるから、日印が協力すれば中国の覇権主義や米露の権力外交に歯止めをかけ、中東やアフリカ諸国の発展に大きく資することは論をまたないからである。
 まづ、インドがどれほどの親日国であるかの目安として、昭和天皇崩御の折に喪に服したといふ事実が挙げられる。当時服喪した国々は、ビルマ、インドネシアをはじめ元植民地の国々など34ヶ国に上つたが、中でも注目すべきは、ブータン、キューバとインドであつたことを日本国民は忘れてはならない。他国の元首が逝去したことで国を挙げて喪に服するとはどういふ意味かを想像する力は、今日の日本人に欠けてゐるが、これは尋常のことではないとの認識を持つべきなのだ。それは、その政府はもちろん、国民と国家が心の底から信服し敬愛してゐる事実を示してゐる。
 ブータンとキューバといふ他国とひと味違ふ個性ある国々が諸手を上げて日本と天皇を尊敬してゐるといふことも、日本にとつて格別の意義があり有難いことであるが、精神的にも大国であり、物的な実力の点でも、BRICS(ブラジル、ロシア、インド、シナ、南アフリカ)といふ近未来に大発展を約束されてゐる躍進国家のインドが、日本を信頼し期待をかけてゐる意義は絶大である。

 さて周知のやうに、十二月三日、ムガジー大統領主催の晩餐会が開かれたが、そのご挨拶で陛下は53年前の訪問時に独立当時からの指導者たちと交流したことや、仏教伝来以来の日印両国の長い歴史に触れられた。そしてインド議会が毎年八月に日本の原爆犠牲者へ追悼の意を示してゐることに「心から感謝の意を表します」と述べられた。
 これに対して、歓迎挨拶をした大統領は「両陛下が前回のご来印時にお植えになつた苗は大きく成長し、青々と葉を茂らせる木になりました」と、日本大使館公邸に53年前に植えられ15メートルの大木に育つた菩提樹に言及した。
 さらに、大統領は、両国関係に寄与したインド人として、日本人思想家と交流のあつたアジア初のノーベル賞受賞者の詩人タゴールと、第二次世界大戦中に日本が支援した独立運動家のチャンドラ・ボース、そして戦後の極東国際軍事裁判(東京裁判)で日本の無罪を主張したラダビノード・パル判事らの名を挙げたのである。

 こゝに我々日本人は、インドがアメリカの原爆攻撃に不信を抱くと共に、アジア解放の理想を掲げたタゴール、そしてインド独立の父ボースと日本無罪論のパルを正当とするインドの正しい歴史認識を再確認すべきである。それは今日なほ日本を呪縛し続けてゐるアメリカと、ロシアや中国・韓国・北朝鮮などの偏向し歪んだ歴史認識を牽制する国家がインドだといふことを示してゐる。言ふまでもなく、現代日本の抱へる外交・軍事の難題の元凶は、すべてこの歴史認識にある。それが今なほ、わが国の教育に暗い影を投げかけ、マスコミや政治にも悪影響を与へてゐる。安倍首相自身、真底願ひながら靖国参拝を果たせず、宮沢談話・河野談話・村山談話を踏襲してわが国がアジアを侵略したと認めてゐるのも、さらに「特定秘密保護法案」で朝日・毎日の執拗な煽動により読者の大半が、わが国が再び戦争の道を歩み始めたと本気になつて心配してゐるのも、すべてこの誤つた歴史認識のせいなのだ。

 日印の友好と連携は、数学とコンピュータに秀で、映画・アニメの分野で気を吐き、自動車など製造業の盛んなインドとの経済交流が日本の産業に発展をもたらすといふ利益に留まらない。また、暴走国家・中国の息の根を止める為の包囲網を敷き外交的優位を築くのに不可欠の連携だといふに留まらない。それは実に、戦後日本を牛耳り、自らの属国・保護国として利用してきたアメリカの支配から日本を解放しようとする天の助けである。
 バラモン教から仏教を生み出し、いまもヒンドゥー教の深い霊性を維持するインドの叡智が、昭和天皇への服喪をもたらした。第二次大戦の勝者五国の核の恫喝に屈せず、自ら核武装をしながら毅然と立つインド。両国が軍事同盟を結び、日本がインドから賃借か購買により核武装することが、わが国の独立と世界平和実現への第一歩なのである。
(「きづな」平成26年1月号より)

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